日時:2012年6月17日(日)~22日(金)
場所:フロリダ州オーランド
「Liespotting: Proven Techniques to Detect Deception (嘘の見抜き方:ごまかしを察知する有効な手法)」の著者、Pamela Meyer, CFEが6月19日火曜日のランチ・セッションで講演を行った。
「嘘をつくということは協同作業です。考えてみてください。嘘は、言葉として発せられる以外、全く力を持ちません。相手がその嘘を信じて初めて成立するのです。嘘をつかれた人は、その嘘に賛同したということです。」
「全ての嘘が悪影響を及ぼすわけではありません。社会生活を送る上で相手の尊厳を保持するために、時に、自発的に協力していることもあります。例えば『つんつんとした紫色のとした髪型とお揃いのタトゥーすごくいいね。』または『返信遅れてすみません、ちょうど今メールをスパムフィルタから救出したところでした』のように。」
尊厳を犠牲にして、全て正直に話すことを求めれば、恐怖と社会の退廃の中で生きることとなるでしょう。今回は、儀礼的なお世辞を除いてお話します。」
「私たちは、嘘をつくことに難色を示しつつも、無意識に嘘をつきます。嘘をつくということは、息をすること同様に古くから私たちの歴史や文化に根付いています。生まれつき備わっている嘘をつくという行為は、成人するまでにはスパム、偽のデジタルフレンド、偏ったメディア、巧妙な手口を使った個人情報窃盗、ポンジースキーマーなどが取り巻く混乱の世界の一員となるのです。」
これらを全て知った上で、不正検査士はインタビュースキルを磨かなければならない。
「相手の心を100%読むことはできませんが、正しいトレーニングを積むことで、真実に一歩近づくことができます。」
Meyer氏は、クリントン元大統領が用いた『あの女性、Lewinskyさんとは、性的な関係を持っていない。』をドッジボール説明(verbal dodging)と表現する。
「クリントンは、否定するときに省略形のdidn’t ではなく、did not を用いた。このように過剰に否定する人は口語体ではなく、文語体で話す傾向にあると、研究結果で示されているのです。」
「『あの女性』という距離を置こうとする言葉もでてきます。嘘をつく人は無意識のうちに対象と距離を置く言葉を選択する傾向にあります。さらに、『Lewinskyさん』と呼ぶことで距離を置こうとしています。」
「罪の意識がある容疑者は、否定する範囲を大幅に狭める傾向にあります。真実を告げる人は、『私は何も盗んでいません。もちろん、引き出しからは何も盗んでいません。』
嘘をつく人は、『20ドルを盗んでいません。』嘘をつく人は否定する範囲を特定し、真実を言う人は全面的に否定する傾向にあります。」
彼女はさらに、嘘を見抜くヒントについて、動詞の時制『現在は、付き合いがない。』、修飾形『出来る限り誠実に対応しているつもりなんです。私の知る限りでは来週までに決定します。』、真実性を強調しすぎる『神に誓って、母の墓に誓って、絶対にそのメールを見ていない』、弱い否定『そのようなことはできなかっただろう』について説明をした。
「語るのは言葉だけではありません。フロイトが言うように『嘘を突き通せる人類などいない。口を閉じていても、指先は多くを物語る』のです。」
Meyer氏は作り笑いをしてみせた。本当の笑顔とは、カラスの足跡とも呼ばれる目尻の小じわを形成する目の周りの筋肉に表れる。シワがなければ、おそらく真実もない。
他にもいくつかのインジケーターとなるボディ・ランゲージを紹介した:
嘘の見抜き方を伝授したあと、彼女は最後にこう述べた。
「嘘をつくことの真実は、厳しい現実と向き合うということです。嘘はまん延していて、危険です。私たちは嘘をつくことに対して入り混じった感情を持ち合わせています。トレーニングなくして、嘘をうまく見抜ける人はいません。」
「そのために必要なのは、目、耳、客観性、公平性です。それだけでいいのです。周りの人の嘘を警戒し始めることで、嘘が特定され、社会から排除され、世の中は強化されるでしょう。」