日時:2018年6月18日(月)~20日(水)
場所:ネバダ州ラスベガス
Crisis in the Organization? Rebuild Your Culture with Transparency
破壊的な状況が自分の組織に打撃を与えることを考えたことがあるだろうか? 深夜、弁護士かコンプライアンス部門かメディアの人間から、世にも恐ろしい電話がかかってくる。選択肢は次のうちのいずれかだ。
(これらは実際に起きたことだが) 今はどうなっているだろうか?
火曜日のワーキング ランチ セッションで、キャスリン・マクレイン (Katherine McLane) は前述したような苦境に実際に直面したマネージャーたちのパネル ディスカッションの司会を担当した。彼女はクライシス コミュニケーション、レピュテーション マネジメントの専門家であり、Mach1 グループの創立者である。マクレインは、LIVESTRONG 財団の理事であったランス・アームストロングがドーピングを行っていたことを認めた当時、同財団の渉外広報・渉外担当のバイス プレジデントであった。彼女は、アーノルド・シュワルツネッガー (Arnold Schwarzenegger) カリフォルニア州知事の副報道官や、マーガレット・スペリングス (Margaret Spellings) 米教育省教育長官 (当時) の副報道官、その他のポジションを務めた。
テレサ・ラプラス (Theresa LaPlaca) は、ウェルズ・ファーゴのコンダクト マネジメント オフィスの新たなバイス プレジデントとして、同社の再建を支援するために雇用された。(選択肢 1 につながる) 彼女は、従業員をサイロ (他の部署で他の従業員が何をしているかまったく理解しない場所) から解放して、協調性のある協力的な組織にするために働いている。
「文化を変えることは挑戦です」とラプラスは述べた。「私にとって本当に重要なのは、私たちのチームが我々の文化や価値についてどう考えているかということです。・・・私たちは、自らのチームに声を上げて欲しいと思います。どう感じているか? どのように処遇されているか? 人々は手を挙げます。それが私にとっての成功です。ウェルズ・ファーゴは、顧客、株主、チーム メンバーの信用を回復することに専念しています」と彼女は述べた。
「シーメンスは、160 年かけて築いた名声をたった 5 分で失いました。そして市場での信頼を取り戻すには、さらに数年かかるでしょう」とアンドレア・ポールマン (Andreas Pohlmann) は述べた。彼はポールマン・カンパニーの創設者でありパートナーである。(選択肢 2 につながる) シーメンスは、不祥事の後、彼をチーフ コンプライアンス オフィサーとして、同社のコンプライアンスとコーポレート ガバナンスの構築のために雇用した。
「トップの姿勢が決定的です。我々は、直ちに、かつ率直に〔経営幹部に対して〕『さあ皆、もう終わりだ!』と伝達しなければなりませんでした。組織の信用と信頼を回復しなければなりませんでした」と彼は述べた。
ラプラスは、トップの姿勢は中間層の雰囲気を測るのに影響すると述べた。私たちは、このような文化についてのアンケートを行うべきです。グループに注目して、何を欲しているかを理解するために、組織の奥底で何が進行しているのかを理解するのです。
「市場の信頼を取り戻すためには・・・外の世界に対して透明であることが重要でした。我々は非常に率直で、この場のようなカンファレンスに出席し、我々の過ちの根本原因と我々の名声の回復の方法について語りました」
マクレインは、物事がうまくいかなければ企業は当然ながら撤退したいと思うものだと述べた。「彼らは塀の中に閉じこもり、全てがうまく行くまではそれについて語りたくないと思います。すべてを語る必要はないのです。しかし何かを話さなければなりません。それは意味があり、誠実で適切な人からの発言でなければなりません」
ジョーオ・エレク (Joao Elek) は、2 週間前までブラジルのペトロブラス社 (Petrobras) のチーフ ガバナンス コンプライアンス オフィサーだったが、悪しき慣習の廃止と汚職対策の強化という使命と共に同社に入社したのは 2015 年のことだった。(選択肢 3 につながる) エレクは、ペトロブラスはその事業と彼が「汚物」と呼ぶものを一掃する取り組みについて、透明性を確保しなくてはならないと同意した。「我々は自分の文化に弱点があることを認める必要がありました。我々の国では、経歴は長く、階層が非常に尊重されます。ですから、もし自分の上司が何かをしろと言ったなら、〔それに従うのが非常に重要〕です。では、どうすれば〔我々は〕そのような文化を破壊できるでしょうか。新たな文化や新たな生き方の導入でしょうか」
従業員は前に進み出る必要があり、彼らの信頼を組織が裏切るのではないかと恐れてはなりませんとラプラスは述べた。「私たちは、管理職がチーム メンバーに〔問題を持って〕訪れて来ることを奨励することを望みます。文化を変えるには何年もかかります。我々のチームは疲れています。彼らに〔ライフ〕バランスを、休暇を取ることを思い出させるのです。リーダーとしてあなた方は休暇を取らなければなりません。彼らはあなた方を見ています。あなた方がライフ バランスを維持するなら、彼らもそうするでしょう」とラプラスは述べた。
エレクは、管理職は率先垂範しなければならないと賛成した。「管理職は、集中トレーニングを受けて、会社の他の部分にそれを伝えなければなりません」と彼は述べた。マクレインは、危機の後、会社は正常に戻りたいと考えると述べた。「しかし会社は新たな正常に適応しなければなりません。そしてその新たな正常の一部が、いかに信用を回復するかということなのです」と彼女は述べた。
パネル ディスカッションの最後に、参加者全員が、危機にあるすべての会社は、トップから末端 (の従業員) まで透明性という文化をたたき込まれなければならないという原則に戻って来た。もしそうしなければ、あなたは冒頭で紹介した恐ろしい電話を深夜に受けることになるだろう。