日時:2019年6月24日(月)~26日(水)
場所:テキサス州オースティン
Head of U.K. SFO: Diverse Teams Have Led to 3 Life Lessons
英国重大不正捜査局の新局長 (Director of U.K. Serious Fraud Office) リサ・オソフスキー (Lisa Osofsky) に「素晴らしいチームメイト」が教えてくれた人生の三大教訓は、1) 明確な計画の立案、2) 聴くこと、3) 真実の発見、である。
「私は長い間チームで働いてきました。世界のフラット化に伴い、不正の性質が変化したのでチームも進化を遂げています」と第一日目のオープニング・セッションの基調講演でオソフスキーは語った。「私は、若く熱意にあふれる、着任して間もない捜査官から学びました。特に不正を解明する際には、上長は、一人より、二人、三人、四人いた方が良いことを学びました。今までにチームが私に教えてくれたことをお話しします」
オソフスキーは、生涯における不正の検知と抑止の功績を称える、ACFEの最も名誉ある賞、クレッシー賞 (the Cressey Award) を授与された。
「混乱が不正実行者の友ならば、無秩序や方向感覚を失うことは犯罪者にとっての酸素のようなものです」。嘘を真実のように見せることは、不正実行者の芸であると彼女は述べた。
ゆえに捜査官は、以下に挙げる行動をするとき、リストの作成と明確な思考によって、不正を明るみに出す必要がある。
「どの不正にも必ず重要な出来事があります」と彼女は述べた。「嘘の匂い・・・、嘘への動機は、ほとんど常に単純です。被害者に金銭を払わせることです。嘘や、誰がそれを言ったか、書類や電子的資料のどこでそれらを発見できる可能性があるかをリストにすることで調査担当者は事例を単純にしておくことができます」
嘘を付いていることの証人、つまり被害者、共犯者、その中間に位置する者を一覧にして、金銭がどこに行ったか示す文書をリストにする。
「そしてこれらのリストの内容を確実に把握し、基本的な質問に答えるために設計された実務的な調査計画と一緒にします。十分に熟考したなら、計画は、ほぼ優先順位付けの問題ということになります」
オソフスキーは、私達はときに自分の理論に心を奪われ、その仮説が事実を無効にしてしまう可能性があると述べた。「確証バイアスは、もちろん調査の一部分であるだけでなく、人間の行動のあらゆる局面に存在します。しかし、私達はそれを防ぐように用心する必要があります」
「どの段階においても、私達の指針は真実でなければなりません。そして調査の各ステップを準備する際に私達は理論やバイアスではなく事実によって導かれなければなりません。正義が実現されるのは、私達が有罪を宣告するときだけでなく、潔白を証明するときでもあります」とオソフスキーは述べた。
私達は自分の仮説が全部または一部を問わず全くの誤りだということを理解できるくらい謙虚でなければならないとオソフスキーは述べた。「私達が不都合な真実を発見したとき、自分の仮説を変更するのは私達の義務なのです」
「自分の仕事は朝起きて真実を発見することだと全ての人が言うとは限りません。しかし私達はそう言います」
「多様な、才能と熱意のある仲間と共に働くことは喜びです」と彼女は述べた。貪欲、羨望、プライドなどはドラマの中の物事です。
「私達は公正な使命を帯びて、本質的に興味深い分野で強力なチームで働いています。私達は最も高い水準で働くという義務を負っています。私達は自分の仕事に義務を持ち、真実に対する不屈の義務を持っているのです」