23rd Annual ACFE Fraud Conference & Exhibition Report

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3日目(6月20日 水曜日)

<分科会1>

午前中の分科会は、Mr. Ken Yormark, CFE, CPA, CAMSとMs. Cheryl Scarboroによる「英国賄賂防止法と米国腐敗行為防止法による汚職防止の潮流(The UK Bribery Act and the FCPA and the Rising Tide of Anti-Corruption)」に出席しました。贈賄禁止条項(The Anti-Bribery Provisions)と会計条項(Books and Records Provisions)を持つ米国FCPAの運用は、司法省(DOJ)や証券取引委員会(SEC)の執行機関の活動とともに、1977年から35年かけてトータルに充実してきました。これに対し、2011年にできたばかりの英国贈賄防止法はFCPAよりも強力で範囲が厳しいようですが、実際の運用はまだ固まり切っていません。両法の比較とともに、中国、ロシア、カナダ政府の贈収賄取締りの強化について解説がなされました。

<分科会2>

 次の分科会は、Mr. Timothy Hediger, CFE, CIA, ACDAによる「内部告発の展望:個人的そして専門的立場から(The Landscape of Whistleblowing: A Personal and Professional Perspective)」に参加しました。彼自身が事業会社で内部監査部長時代に内部告発を行った経験を共有してくれました。内部監査人として内部告発することがどれだけ厳しい事であったかを強調していましたが、決して後悔はしていないとのことでした。その時に常に助けになったのはACFE、IIA(内部監査協会)、AICPA(米国公認会計士協会)のガイドラインに従うことであったそうです。

<閉会式>

第23回ACFE年次総会3日目、閉会式での最後を飾る基調講演は、マーク・ウィテカー博士(Mark Whitacre, Ph.D.)による「犯罪者となった内部告発者:インフォーマント(Convicted Fraudster, "The Informant")」です。同氏は、米国で最も有名な内部告発者です。1992年にフォーチュン500であったアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM社)の副社長であった彼は、3年間にわたって同社のカルテルに関するFBIの覆面捜査に内部告発者として協力したのですが、結局は脱税と詐欺の罪で8年間服役することとなりました。ADMの副社長の頃、高給にもかかわらず、生活が派手になり強欲(Greed)から、会社の資産を横領(Embezzlement)し始め、長期間発見されなかったそうです。その間にFBIの潜入捜査への協力が始まったのだそうですが、とてもユニークな経験だったようです。現在はバイオテクノロジーの会社の経営者となった同氏のユニークな人生に関してはスティーブン・ソダーバーグ監督・マット・デイモンの主演で『インフォーマント(“The Informant!”)』として映画化されています。
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ラトリー会長による閉会宣言の後、ACFE本部事務局にCFEとしての継続的専門教育(CPE)の申告をしました。ACFE年次総会のCPE単位はNASBAの認証を受けていますのでCPAの方にもお勧めできます。来年の第24回となるACFE年次総会は2013年6月23日から28日までネバダ州ラスベガスで開催となる予定です。日本からも多くの会員に参加して欲しいと思います。






ACFE Japan理事長 濱田眞樹人

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カンファレンス2日目カンファレンス2日目

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基調講演の要約

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Christopher DoddChristopher Dodd

Pamela MeyerPamela Meyer


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