執筆者:Cindy Greenman, CFE
これを言うと年配だと認めることになるが、私の大学のIDカードには写真、誕生日、社会保障番号が記載されていました。教授が試験の成績を“公表”するときは、文字通り教授室のドアに名前、社会保障番号(私たちの学生番号でした)と学年を掲示していました。その頃はまだFERPA(Family Educational Rights and Privacy Act:家族教育権とプライバシー法)のようなものはありませんでした。しかし繰り返しますが、これは昔のことで、世界でインターネットがこれほど重要なものになる前のことです。
このことは次の疑問を投げかけます。我々はいつから子供達に詐欺犯罪についての教育を始めたらいいのでしょうか? 世界は、見たことがない人は皆危険だという考えと警告―つまり、子供達に「知らない人は危ない」と言い含めていた時代から様変わりしています。良いことを考えている大人ばかりではないことを理解するのが難しい子供もいるでしょう。多くの親は子供を怖がらせて育てることは望んでいませんが、個人情報を守ることを目指すべきです。まさしく大人と同じように、子供も個人情報の盗難や詐欺被害に遭う恐れがあるのです。ネットサーフィンをするだけで大人も子供もネット詐欺の危険にさらされますが、特に子供をターゲットにしているものがあります。
子供の個人情報の盗難は大きな問題になっています。2018 Child Identity Fraud Study (Javelin Strategy & Research)によると、2017年に被害に遭ったアメリカ国内の子供は100万人を超えています。18歳以下の子供の大半はクレジットカード利用歴がないため、この種の個人情報盗難被害は何年も発覚されずに続く可能性があります。両親や保護者は子供名義のクレジットカードの凍結を検討すべきです。そうすればなりすまし犯罪者が新しいクレジットカードを作ることが難しくなります。
子供達にどうやって安全を守り個人情報が盗まれることを避けるか教えるコツをご紹介します。
子供がネットにアクセスする前にインターネットの安全性について説明しなければなりません。子供にかいつまんで説明できる基本ルールを紹介しましょう。
この年齢に対しては、信用報告書とは何か、また何のために使われるのかを説明できます。もし自分の名前で詐欺に使われるアカウントが作られてしまったら、信用に影響を及ぼし生涯つきまとうという事実を説明します。困難な事柄の大半は時間と労力をかけて解決できますが、最初からそれを防いだほうがずっと簡単です。
詐欺師は常に新しい手口を試していますが、詐欺行為は通常古典的な警告のサインを共有しています。子供達が気を付けるべき危険信号を3つご紹介します。
結局は、子供とのコミュニケーションが全てです。はっきりと伝えましょう、正直でオープンでいましょう。辛抱強くなり、理解しましょう。もし読者の皆さんがこれらすべてを理解出来たら私に教えてください。私は20代になる2人の子供と今でも取り組みを続けています。
英文タイトル :Basic Cyber Safety for Children
英文記事リンク:https://www.acfeinsights.com/acfe-insights/basic-cyber-safety-for-children
原文掲載日:2021年8月23日
翻訳:ACFE JAPAN事務局
※わかりやすさを優先させるため、意訳を行っています。ACFE JAPAN (一般社団法人 日本公認不正検査士協会) 公式の邦訳とは異なる表現を使用している場合があります。