執筆者:Ron Cresswell, J.D., CFE, Research Specialist
原文掲載日:2021年1月8日
2020年10月、アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワーク局( FinCEN )がコロナ禍における失業保険( UI, Unemployment Insurance )に関する勧告[PDF]を発出し、コロナ禍に関する失業保険金不正の手口や不正の兆候を金融機関の関係部局に対して通知した。
コロナ禍で失業者の申請が殺到しているのは明らかだ。FinCEN によると、アメリカ国内の法執行機関や金融機関は、失業者の増加に比例して失業保険金不正が増加していることを把握している。次に紹介する不正は、コロナ禍でFinCENが監視している失業保険金不正のよくある手口だ。
FinCEN は、各金融機関に失業保険金不正の兆候をリストにして注意を呼びかけている。
次のような状態の口座
FinCEN の勧告によれば、失業保険金不正だとすぐにわかるような不正の兆候はない。金融機関は、不正が疑われる申請だと結論を出す前に、きちんと事実確認をしなければならない。もし金融機関が失業保険金不正と結論を下したのなら、SARs( Suspicious Activity Report 訳注:金融機関から FinCEN に報告が義務付けられている疑わしい取引の報告)に記載されなければならない。この勧告は、SARsがコロナ禍での失業保険金不正の撲滅に不可欠だとしている。
英文タイトル :Common Schemes and Red Flags of Unemployment Insurance Fraud During the Pandemic
英文記事リンク:https://acfeinsights.squarespace.com/acfe-insights/common-schemes-and-red-flags-of-unemployment-insurance-fraud-during-the-pandemic
翻訳:ACFE JAPAN事務局
※わかりやすさを優先させるため、意訳を行っています。ACFE JAPAN (一般社団法人 日本公認不正検査士協会) 公式の邦訳とは異なる表現を使用している場合があります。