米国 ACFE 本部 Membership Communications Manager である John Loftis が ACFE Insights に投稿した記事を邦訳いたしました。これから CFE 資格試験に挑む方へのアドバイスが述べられています。
CFE 資格試験をお受けになる方やご検討中の方の参考となれば幸いです。
by John Loftis, CFE, 米国 ACFE 本部 Membership Communications Manager
つい最近、「今年は CFE 資格を取るぞ!」と目標を掲げた人々のやり取りを CFE 資格試験対策のコミュニティで読みました。ある統計によると、新年に目標を掲げても、30% 以上の人は最初の 2 週間のうちに諦めてしまうそうです。健康的な生活を送るとか、もっとお金を稼ぐとか、新しい恋を探すとか、そういう決意については残念ながら私たちにお手伝いできることはありませんが、CFE 資格試験に合格するための取り組みならお手伝いできそうです。
Forbes (雑誌) の "7 Secrets of People Who Keep Their New Year's Resolutions" (訳「新年の決意を維持するための 7 つの極意」) という記事を読んで、CFE 資格試験の受験にも使えそうだと思いました。この記事の内容を元に、(半月も経たないうちに新年の決意を諦めてしまう) 30% に加わることなく、CFE 資格の取得を達成するための簡単な取り組みをご紹介します。
S.M.A.R.T. による目標設定について、ご存知の方も多いと思います。具体的で、達成度・進捗度を測定可能な、実現できる、現実的な、期限で管理できるようにした、目標設定の手法です。
まず、CFE 資格試験日に向けて学習計画を設定しましょう。このページの下の方に「CFE 資格試験に向けたヒント集」をご用意しました。これを参考にして計画を立てましょう。
CFE 資格試験の受験までには、各種の手続きや広範にわたる学習が必要です。そう聞いてしまうと、怖気づいたり面倒に感じたりしてしまうかもしれません。手続きや学習を小さく分解して、状況を把握しやすくしましょう。
手続きは手順ごとに、学習は章や節ごとに、小さな目標を設定して、ひとつひとつこなしていきましょう。
私が CFE 資格試験に向けて勉強したときは、昼休みを利用しました。3 か月間、昼食を取る時間を切り詰めて、残りの時間を勉強にあてました。
昼休みの時間での勉強は効率的ではない、と思う人もいるかもしれません。私が言いたいのは、時間と場所を決めて勉強を続けることが重要だ、ということです。
行き帰りの電車で揺られている時間を利用したり、毎週水曜日は早めに退勤して図書館に寄ると決めたりして、少しずつでも確実に学習が進むようにしましょう。
CFE 資格試験の出題範囲は非常に広範です。やり残しのある状態や理解が不十分な状態で試験に臨むことのないように、進捗を確認するようにしましょう。
最初に計画を立ててから学習を進めてもよいですし、【要約版】のような冊子なら全体から見てどのあたりまで進んでいるのかを大まかに把握できます。
CFE 資格試験に限らず、資格試験などに向けて頑張っている人たちと、目標を共有するのもお勧めです。お互いに頑張っている様子を知らせることで、やる気を維持できます。
CFE や CFE 資格試験合格者が近くにいるなら、アドバイスを受けるのもお勧めです。
説明会などで、私は受講者に言います。
たとえ今日は数ページしか勉強できなかったとしても、その数ページ分だけ前に進んでいます。何もしないのに比べたら、ずっといいのです。少しずつでも進み続けていれば、いつか振り返ってみたときに、驚くほど進んでいることに気付くでしょう。
忙しくて時間が取れなかったり、やる気が起きなかったりして、勉強できないときもあると思います。でも諦めないで。目標や計画を調整して、もう一度やりなおせばいいのです。
あなたの目標・計画は、あなたのものなのです。いつでも自由に変更できるのです。
最後に偉人の言葉を引用します。
「止まりさえしなければ、どんなにゆっくりでも進めばよい」
CFE 資格試験を受ける方に向けたヒント集です。
CFE 資格試験合格には、受験資格を満たした方について、100~200 時間の学習が目安とされています。これを学習期間に当てはめると、おおよそ[表1]のようになります。
また、[表2]のような知識・経験をお持ちの場合は、内容の理解が容易になり、学習時間が短縮されると思われます。
学習期間 | 学習時間の目安 |
---|---|
4か月 | 5~10時間/週 |
3か月 | 7~15時間/週 |
2か月 | 10~20時間/週 |
1か月 | 20~40時間/週 |
試験科目 | 知識・経験 |
---|---|
財務取引と不正スキーム | 財務、会計、経理、仕訳、販売管理、簿記 |
法律 | 法務、法学、法制度 |
不正調査 | 監査、調査 |
不正の防止と抑止 | 統制制度、体制構築、犯罪学 |
CFE 資格試験に向けた計画シートです。ご利用ください。
Excel (.xlsx) 形式
PDF (.pdf) 形式
学習期間が 3 か月以上ある場合は、「3 か月の例」を使用しても、「2 か月の例」+(復習として)「1 か月の例」を使用してもよいでしょう。
学習を始める前に、計画を立てましょう。
試験日まで 3 か月以上ある場合は週に 7~15 時間、2 か月以上ある場合は 10~20 時間、1 か月しかない場合は週に 20~40 時間の学習が目安です。時間だけ見ると怖気づいてしまうかもしれませんが、時間と場所さえ確保できれば、思っているよりも簡単に学習を継続できます。
たとえば、こんな時間を活用しましょう。
ちょっと早起きして自宅で。行き帰りの電車の中で。お昼ごはんを食べながら。帰宅途中にカフェに寄って。
時間と場所を決めて、毎日の予定として確定させてしまいましょう。
ずっとそうしろ、と言うわけではありません。CFE 資格試験に合格するまで、ちょっとだけ頑張りましょう。
せっかくやる気を出しても、学習環境が整っていないようでは意味がありません。
不正検査士マニュアルなどをすぐに参照できるように準備しておきましょう。
「不正検査士マニュアル 2015 年 インターナショナル エディション 日本語版」は、CD-ROM (PDF 形式) で提供されます。予め PC やタブレットに入れておきましょう。