第 7 回 ACFE JAPAN 理事長対談には総務省統計委員会の西村淸彦委員長をお迎えしました。この対談では、2018 年 12 月に発覚し、実態解明を進めている「毎月勤労統計調査の不適正統計作成問題」についてお話を伺います。不適切な調査が行われてきた問題の本質に関するお考えと企業不祥事との共通点などに関してお話いただきます。西村氏は、10 月 4 日(金) に開催する第 10 回 ACFE JAPAN カンファレンスの基調講演でもご登壇いただく予定です。 (聞き手:ACFE JAPAN 理事長 藤沼亜起)
東京大学経済学部助教授・大学院経済学研究科教授、内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官、日本銀行政策委員会審議員、日本銀行副総裁 (2008/3~2013/3) を歴任。
中央大学 商学部 卒。1974 年 公認会計士 登録。国際会計士連盟 (IFAC) 会長 (2000-2002)、日本公認会計士協会 会長 (2004-2007)、IFRS 財団 評議員会 (Trustees) 副議長などを歴任。
西村先生は 1983 年に東大の助教授、1994 年に教授、2005 年に日銀の政策委員会の審議委員になられ、2008 年から日本銀行の副総裁に就任されたことから、経済学者として政策立案やそれのフォローアップで非常に重要な役割を果たされてきました。2013 年 3 月に日本銀行副総裁を退任、同年の 10 月に東京大学 経済学研究科長・経済学部長に就任された後に、現在は政策研究学院大学の特別教授をされている。統計分野において先生のお力添えが必要となり、2014 年 2 月より統計委員会の委員長に就任されていますが、ご就任までの経緯を教えてください。
私は長い間、「予想されないことが起きる」という本源的不確実性に直面したときの人々の行動について分析を行ってきました。今回のことは、「まさかそんなことが起こるわけがないと思っていたことが起きた」という点で、私の理論と妙な形で結び付いていることが非常に不思議な感じがします。
日本銀行副総裁の任期の時はちょうど世界金融危機の真っ只中で、日本の政治経済共に激動の時代だったので、東大に戻ってからは、しばらく英気を蓄えたいと思っていました。しかし、選挙で研究科長・学部長に選ばれて、正式就任の前から、東大の改革と研究科・学部の財務改革をやらなくてはいけないことになっていました。その上、統計委員会の前身である統計審議会の委員を務めていたということもあり、統計委員会への復帰を各方面から強く要請され、特に 2018 年 10 月に任期が切れる当時の委員長から強く要請されて断り切れず、2014 年 2 月に委員に就任し、そして互選で委員長に選ばれたのが経緯です。
実は日本銀行副総裁時代にも、組織がどのように「不正」や「不適正な行為」に対処しなければならないか、を考えなければなりませんでした。日本銀行では 2008 年 4 月から 10 月まで学者出身ながら日本銀行の業務の統括の責任をとることになったこともあり、その中でも内部管理はもっとも重要なことのひとつでした。東京大学経済学部研究科長・学部長としても、当時から研究不正が大きな話題になっており、直接問題に対処した訳ではありませんが、大学人として不正等が起こる要因、再発防止策等を真剣に考えなければなりませんでした。したがって、組織として、どう不正を防ぐか、と同時に、不正が分かった場合にどう対処するか、ということの重要性を強く感じるようになりました。
不適正統計作成問題を掘り下げる前に、統計委員会の目的や機能、他省庁との関係について教えてください。
統計委員会は、時代を通じて、そして最近は統計改革の中で変化してきました。
2014 年から統計委員会が小さな一歩として始めた統計改革は、2016 年経済財政諮問会議での麻生副総理の発言等を踏まえ 2017 年に設置された統計改革推進会議をきっかけとして、大きなうねりとなって進行中です。例えば GDP 統計を中心とした経済統計の改革は、今後十数年をかけて行う、日本の統計の将来を決める大改革です。その中で、統計委員会の目的や機能、他省庁との関係なども変化してきています。
現在、統計委員会は、ふたつの役割を負っています。ひとつは統計作成府省からの諮問や、独自の判断で、統計技術的側面から統計調査を審議し、統計作成府省の統計「作り込み」を実現させ、統計の品質を維持、向上させる役割です。ここで言う「作り込み」は、完成品の品質を測定して悪い品質のものは廃棄して出荷の品質を確保することではなく、製造の段階で品質劣化が起こりそうなことを無くしていくことで品質を向上させる、という意味です。民間の品質管理と一脈通じるところがあります。
ふたつ目は、政府統計全体の将来のあるべき姿について統計ユーザーの意見をくみ、政府統計全体の不断の改革を、内閣の統計改革推進会議のもとで達成するという、日本の統計の司令塔としての役割です。政府の統計ガバナンスが実効あるものとなるように、統計リソース (予算・人員) について建議し、それが有効に使われているかをフォローアップする役割もその一部です。
それは結構厳しいですね。
しかも、建議の内容が予算や人員についてです。実際上、初めて統計リソースについての建議をするということになりました。それから、もうひとつはフォローアップをちゃんとするということです。
それは大事ですね。
過去、2009 年の改正統計法施行の前は、 同じ手法で統計を取り続けているかぎり、統計委員会の前身である統計審議会では審議の対象ではありませんでした。更には 2009 年以降も、統計委員会は「法施行型」審議会とされ、統計作成府省の大臣の諮問がない限り、独自に統計を審議の対象とすることは出来ないと説明されてきました。私が統計委員会委員長に就任した当初も、そのような説明を受けました。初代の統計委員会委員長であった東京大学名誉教授の竹内啓先生も、そのような説明を受けたと述懐されています。しかし、それでは統計法が 2009 年に改正されたときの趣旨 (司令塔としての統計委員会) からはかけ離れていないかと、委員長として強く主張し、ようやく未諮問の統計も統計委員会の審議の対象にすることができるようになりました。さらには政府内でも、経済統計に対する不満が明らかになり、それを通じて統計改革の機運が高まり、統計改革推進会議が発足し、統計法が再改正され、今のような形になったのです。ただし統計の司令塔としての統計委員会の位置はまだ定まったものではなく、今後も変化して行くと思われます。良い方向に変化するように見守っていただきたいと、国民の皆様にはお願いしたいと思います。
長年にわたって厚労省で放置されてきた不適正統計作成問題が公になった経緯を教えてください。
先ほど申し上げた通り、毎月勤労統計調査 (以下、毎勤) は 1990 年に調査対象を 30 人以上の事業所から 5 人以上の事業所に拡大して以降、公には見直しがなく審議の対象外だったのです。2009 年以降も、統計作成府省の厚生労働大臣の諮問がなかったので、毎勤は長い間、統計委員会およびその前身の統計審議会の審議の対象ではなかったのです。その間、公にすることなく、2004 年に東京都の従業員数 500 人以上の事業所を全数調査から抽出調査に変えたときに、抽出率の逆数をかけて復元を行うようにコンピューター プログラムを修正することを忘れるという致命的なミスを犯したのです。
復元作業を行わなかったんですね。
当たり前ですが、3 分の 1 しかやらなかったら 3 倍しなければ、復元できないですよね。よく言うんですが、「これは数学の話ではない。算数だ」と。分かっていてそういうことをしたんじゃなくて、要するに単なるミスなんです。
ケアレス ミスなんですか。
企業でも何か変更したらチェックをしますよね。そのチェックをしてなかったということなんですね。さらに、本来ならば変な数字が出てきたら気が付くはずなんですが、元々この統計はすごく振れの大きい統計なんですね。調べているサンプルの数が小さいので、振れがものすごく大きい。
そうなんですか。
旧労働省のごく一部のところで、調査をやっていたので、振れが大きいという文句を取り上げようとしなかったというか、文句を言われているということ自体に気付いていなかったわけです。さらに、もうひとつ重要な点は、長年放置し、かつ作成時の重要なデータを破棄したということです。
これは信じられないですね。
要するに、当時の普通の公文書と同じように、ある一定の年数が経過したら破棄して良いということになっていた。だから、そういう意味では、破棄自体は今では違法ですがその時点では違法ではなかった。しかしそのデータがいかに重要かという認識がなかったんです。
問題認識がなかったわけですね。
すべてではなく一部を破棄していた。一部の、しかもそれがないと同じやり方での再推計ができないという大事な部分がどこにもないんだそうです。
そうですか。
見つからない。本当ならばコンピューター プログラムの中にあって然るべきデータがない。やがて現場の一部は問題に気づいたが、変更もせず組織の上層部に報告もしなかった。2014 年以降に統計委員会が統計改革を始め、未諮問の統計も審議の対象となってから、毎勤も取り上げられることになり、変更が検討され実施されることとなりました。そして 2018 年に実際に変更を加えることになったとき、現場は上層部に諮ることなく、且つ統計委員会や総務省にまったく連絡もなく勝手にコンピューター プログラムを修正し、復元処理を始めていたのです。
それもまた問題ですね。
これに対して、統計委員会での審議をもとに行った変更の影響を見極めるため、フォローアップを行っていました。しかし、厚生労働省側がなかなか情報を提供しないので速やかに情報を提供するように要請しつつ、公表情報に基づいて、独自に整合性等について統計委員会内部で検討を進めていました。その中でデータの不可思議な動き等の疑問点が出てきました。そして 2018 年 12 月に統計委員会が厚生労働省にこのデータの不可思議な動きの説明を求めたことをきっかけとして不適正の内容が次々と明るみに出ることになりました。これが一連の毎勤を巡る不適正統計作成の経緯です。したがって統計改革で統計委員会が毎勤を取り上げなかったら、この事実が明るみに出たかどうかもはなはだ疑問です。
この問題の抜本的な原因と、国民に与える影響について教えてください。
実際、毎勤の不適正統計作成は、毎勤の賃金データが給付金等の基礎だったため国民生活へ多大な影響を与えました。過小払いを補償しなければなりませんし、長年にわたるため、誰が対象なのかを特定するのが難しくなっています。補償をするためには直接の補償額以外に多大な運営費用もかかります。その費用の多くは労働保険特別会計から出されることになるのですが、結局雇用者、被雇用者の保険料から賄われることになります。このように、毎勤は実は「国民が統計のステークホルダー」なのですが、厚生労働省の担当部局にはその考えがまったく欠如していました。厚生労働省の対応が多くの批判を受けたひとつの理由は、ここにあると思います。
特別監察委員会の報告書が第三者性等を含めて厳しい批判があったことは周知のとおりです。
残念ながら、毎勤の不適正統計作成問題とその後の対処にあたって、厚生労働省のガバナンスがまったく欠如していたことは明らかです。しかし、それだけにとどまりません。この問題を政府全体が気づくことなく、放置していたことが問題なのです。今後は環境整備等を含め、各統計作成機関のガバナンス確立を政府全体として実効あるものとしなければなりません。
特に、政府統計は作成府省の利害を超えた国の情報インフラであることを政府全体の統計ガバナンスの基本理念としなければなりません。賃金統計は、厚生労働省の行政目的を越えて、日本経済全体の現状を示す統計情報です。ところが同省には省関係者の中のみで様々な統計関連の検討を行い、他府省や他の統計ユーザーからの要望や助言を取り入れる姿勢がありませんでした。法に違反した状態をそのままにして、統計委員会に何の連絡すらなかったことはその証左です。
今般、政府の骨太の方針には、統計業務の「共同化」が示されています。その根底にはこの基本理念、つまり「政府統計は作成府省の利害を超えた国の情報インフラである」という考えがあると理解しています。そして、毎勤問題が示したように、国民が政府統計のもっとも根源的なステークホルダーとするならば、情報の適時開示等のステークホルダーに対する適切な対処が必要であると考えています。
こうした統計を巡る危機的状況の中、統計委員会は、日本の統計全体への信頼の低下を防ぎ、回復するためにはどのようにすべきか、言い換えれば日本の統計全体のインテグリティを守るためにはどうすべきか、という観点から対処してきました。
そのもっとも重要な点の第一は、情報開示の適時性と透明性です。昨年 12 月 17 日に全数調査をしていないことが発覚したあと、直ちに厚生労働省に対して事実関係を把握し報告するように要請しましたが、返答を待っているうちに、さらに統計処理に致命的な初歩的エラーがあったということが発覚し、その詳細は依然事実関係を調査中ということで明らかにされませんでした。ところが当該事案の存在が複数の報道機関によって 12 月 28 日の御用納めのあとに報道されるという事態になりました。このままでは統計委員会は事実を知っていながら何も対処しなかったとして統計委員会のインテグリティに疑問符がつく事態になりかねません。そこで統計委員会は年末正月休み明け 1 月 4 日に直ちに正式に総務省を通じて厚生労働省に事案の経緯・影響を報告するように要請し、この件に関して定例とは異なる形で統計委員会を開催するという通知を掲載しました。これは極めて異例の措置でそれなりの反応が各所でありましたが、統計委員会としては筋を通したわけです。
結局はこの件は、厚生労働省に特別監察委員会が設けられ、それによる事実解明を行うとなり、統計委員会にはその報告がされる形になりました。その後の特別監察委員会の調査等については、多くの報道がなされ、また国会で取り上げられた通りです。統計委員会は責任を追及するというような権限は持っておらず、統計技術的・学術的側面から、この問題に対処するというのが責務でした。こうした観点からみたとき、特別監察委員会の最終報告書にはいくつかの解明が不十分な点があり、それを巡って統計委員会の五人の委員が意見書を提出し、それに基づいて統計委員会は 3 月 11 日に厚生労働省に対して詳細な情報提供を要請しました。統計委員会は議事・資料とも公開していますので、この情報提供の要請は、いわば国民に対しての情報提供の要請ということになります。この要請に対する完全な回答はまだ正式にありません。厚生労働省は抜本的な再発防止策等を検討する有識者懇談会を 7 月 2 日に入って立ち上げて検討し、その検討結果をもって要請への回答とするようです。
統計委員会が細心の注意を払った第二の点は、統計委員会が何を知っていて、そのもとでどのような判断をしたのかを正確に公表し、その中立性やインテグリティに対してあらぬ誤解や疑惑を受けないようにすることです。そのひとつは、政府統計全般を点検・検証する部会の部会長の人選です。一旦決めた部会長を差し替える異例の措置をいたしました。これは特定の府省とのつながりを連想されるような人選を避けるためです。
また、統計委員会の過去の決定を巡って、統計委員会自身が明確にしている意図と異なった解釈を厚生労働省が国会で主張し、そのために総務省と厚生労働省の答弁が食い違ったように見え、政府としての統一見解を求められた一件では、統計委員会のインテグリティが問われる事態に発展しかねない状況でありました。統計委員会は議事も資料も公開しており、どういう情報のもとでどういう決定をどういう理由で行ったかを明らかにしています。統計委員会は2月22日に委員長談話を発表し、この事実関係を明確にしました。結局は事務方が統計委員会の意図を十分に汲まないで不十分な形で調整を行ったために生じた齟齬であり、今後はこのようなことがないようにするという形で決着しました。
統計委員会の対処で強調しておきたい第三の点は、統計委員会は法的行政的責任を追及する組織ではなく、統計技術的・学術的に問題点を剔出 (てきしゅつ) し、その問題点を是正することによって、過去に起きた不適正な処理を是正し、更には今後の統計の質の向上を図ることがその使命であることです。毎勤についてもその姿勢は変わりません。
毎勤の不適正統計作成の主要な点を三点に絞ると、(1) 東京都の全数調査を勝手に抽出調査に変えていた、(2) 抽出調査にしたときに復元処理を忘れるという致命的な初歩的エラーをした、(3) さらには重要なデータをすでに廃棄していた、ということです。特に (3) のデータ破棄は、過去に遡って統計を是正するという点では、致命的な問題です。厚生労働省はデータがないから過去に遡って統計を是正するということは無理と当初は主張していました。これに対して統計委員会は、統計的フォレンジックとでも言える形で、過去の作成プロセスを再現させながら、どうすれば廃棄されたデータを別のデータで補完できるか、統計の遡及是正が可能かを明らかにしました。この過程を通じて、厚生労働省側の情報開示が大きく進み、厚生労働省側もより深く正確な状況把握ができるようになり、現在 2011 年以前の統計計数の是正へのメドがたちつつあります。これは先ほど申し上げた「統計を作り込む」ことの重要性のひとつの現れと考えられます。
最近は、国内外の日本の民間企業で様々な不正や不祥事が相次いでいますが、今回の問題を企業に置き換えて考えてみた場合に、どういった点に留意すべきでしょうか。
この問題は企業の不祥事に実は非常によく似ています。上層部が無関心で能力がないために、下が自分たちの論理で勝手に動いてしまう。それが、企業全体のレピュテーションなどに対して非常にまずい影響を与えることになる。しかし、まずいことをしてしまったという意識もないところが、企業の不祥事に似てますよね。その裏には、上がこうしてほしいんだろうという「忖度 (そんたく)」が働いているのではないかと考えます。それと「先延ばし」ですね。日本の組織の不祥事というのは、「忖度」と「先延ばし」というこのふたつから出ていると思います。それが特に大きな組織で、かつ外からのチェックがないという政府という組織の中で、先鋭化した過激な形で現れたのではないかなと思っています。
世界的に公認不正検査士のニーズが高まっているとともに、日本の CFE 資格試験においても、各省庁の職員や公務員の方々の受験者も増加しております。今後、公認不正検査士に期待するようなことがあれば教えてください。
私は、こうした動きが広がっていくのを非常に期待しています。
ありがとうございます。
特に国家公務員の受験者が増えているというのは心強いです。基本的な考え方として、不正は撲滅しなくてはいけないと考えがちですが、不正はわりと簡単に起こり得ると考えております。
そうなんです。不正というのは動機があると言われています。たとえば金に困っているとか、あるいは上司からものすごいプレッシャーが掛かっているとします。そうすると、人間は不正に走ってしまうことがあるわけです。次に、不正を実行する機会があるかどうかです。要するに上司が見てない、誰も注意してないとなると、不正ができてしまう。そして、不正をやってしまった後に、不正実行者は自分のしたことの正当化の理由を探す。「他の人もやってる。俺のやってることは大した金額じゃない」と。結果として、不正の機会、動機そして正当化という「不正のトライアングル」ができてしまう。人間は弱いものですから、私は、不正はなくならないと思っています。
それから、初動体制ですよね。間違ったことは間違ったと認める。組織自体が「間違っていない」と自己正当化を図るような行動をとることが最大の問題です。そういうことをしない組織文化を創ることが重要ですけど、政府の組織では非常に難しいと言えますね。ただし、重要な点は、ステークホルダーは国民なので、国民に大きな問題が生じるようなことがあるかどうかを見ておかなくてはいけない。それから、内部告発をしたときに、それを正当に見てくれるところがないといけないと思います。
内部告発では本人に不利益処分が来る恐れがあるので、きちんと透明性を持った通報制度にしないと、内部告発は、セクハラやパワハラみたいな案件だけで終わってしまいがちになります。
不適正統計作成問題と企業不祥事と、よく似ている部分ですね。
似ていますよ。日本の不正は、カビ型不正と言われていますが、組織を守ってしまうわけです。善良な人でも上が言っていることに合わせて忖度するわけです。結果的に、表に出て来にくい不正です。ところが、最近では、内部告発する人が直接にマスコミに通報してしまい、思わぬところに飛び火して大騒ぎになる。メーカーの事例では、製品の品質不正やデータ偽造などの問題です。長い間やってきたことが、内部通報で、表に出てきているということでしょうね。
そういう感じですよね。
本日はありがとうございました。