一般社団法人 日本公認不正検査士協会:理事長 岡田 譲治(おかだ じょうじ)
2025年の新年を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
会員の皆様におかれましては、平素より日本公認不正検査士協会 (ACFE JAPAN) の活動にご理解とご支援を賜り、心より厚く御礼を申し上げます。
世界情勢では、昨年に引き続き世界各地で戦乱が続く一方、2025年は新たな経済的紛争激化の懸念も指摘されており、地政学リスクから目が離せない状況が続いております。
わが国の経済は、日経平均株価が昨年、史上初めて4万円を超えて以降、いくらかの波はありながらも安定しているようにみえますが、地方や中小企業といった領域では、人手不足や地域経済の衰退といった深刻な課題も浮上しています。
このような情勢下において、昨年も多くの不祥事や不正事案が社会で明らかになりました。
大手自動車メーカーにおける品質不正、医療機関や教育機関といった公的組織における不祥事、鉄道会社でのデータ改ざん、都市銀行での元行員による顧客の資産窃盗、さらには金融庁や東京証券取引所の職員によるインサイダー取引など、私企業から公的機関まで企業規模や業種に関わらず、不正事案や不祥事は途絶えることがありません。
こうした不正事案や不祥事に関する調査委員会や第三者委員会において、公認不正検査士(CFE)の方々が、中心的存在として活躍している場面を目にすることも増えてきました。このような不正と闘う人材の育成、専門性の向上など、CFEや当協会の活動に対する社会の要請が高まっています。その中では、当協会の掲げる「不正を撲滅する/未然に防ぐ」という点において、多くのCFEが企業活動のさまざまな場面で、表立たない状況下でも活躍いただいているものと私は思っています。改めて、皆様のご尽力に感謝を申し上げます。
今年2025年、ACFE JAPANは創設20周年を迎えます。これも一重に会員の皆様のご活躍の積み重ねがあってのことです。さらに、歴代の理事や評議員をはじめとしてご支援いただいた方々の見識や熱意が、ACFE JAPANのこの20年間の礎となってきました。ACFE JAPANの現在の会員数は、3,266名(2024年12月時点)を数え、うち2,402名が公認不正検査士(CFE)として登録・活躍されていますが、退職された方なども含めると、この20年間で実に多くの方々の支持をいただいてきました。
節目となる本年、「資格の普及啓発活動」と「会員の皆様の満足度を高めるためのサービスの質の向上」にさらに注力し、着実かつ大胆に歩を進めてまいる所存です。また、秋に開催する「ACFE JAPANカンファレンス」は、この20年を振り返る意味も込めて、より多くの皆様が参画できる大会とできるように、趣向を凝らしたいと考えています。2024年のACFE JAPANカンファレンスでは、米国本部のジョン・ギル会長が日本の会員の皆様に向けてメッセージを贈ってくれましたが、本年はグローバルな協力体制も強化していく方針です。
会員の皆様におかれましても、ますますのご発展とご活躍の年になることをお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。
一般社団法人 日本公認不正検査士協会 理事長
公認不正検査士 (CFE)
日本航空株式会社 社外監査役
日本電気株式会社 社外取締役
元 公益社団法人 日本監査役協会 会長
元 三井物産株式会社 代表取締役 副社長執行役員CFO