一般社団法人日本公認不正検査士協会:理事長 藤沼 亜起 (ふじぬま つぐおき)
2021 年の新年を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
会員の皆様におかれましては、平素より日本公認不正検査士協会 (ACFE JAPAN) の活動にご理解とご支援を賜り、心より厚く御礼を申し上げます。
今なお世界中に猛威を振るっている新型コロナウィルスは、世の中を一変させ、私たちの生活様式や働き方も大きく変わりました。昨年の年明けに、誰がこの状況を想像できたでしょうか。ニューノーマル (新常態) 時代を迎え、私たちは新しい生活、社会に適応していかなければなりません。
リモート ワークやオンライン決済などコロナ対策でデジタル化の波が急速に押し寄せたことにより、企業における「不正リスク」はこれまで以上に高まっています。このような状況を受けて、従来型の不正調査の監査体制ではますます複雑化する不正の発見・対応力が低下することが予想され、不正が長期にわたり発見されない可能性も懸念されます。公認不正検査士協会 (ACFE) は不正対策の世界的組織として、これからの時代を見据えた不正対策の取り組みをより一層強化し、社会に貢献していくことが責務だと考えております。
ACFE JAPAN の会員数は現在 2,367 名 (2020 年 12 月現在) で、内 1,563 名が公認不正検査士 (CFE) として登録されています。CFE は、不正の発見や未然防止・抑止において重要な役割を担っています。より複雑化する企業の不祥事や不正事件に対し、第一線で対峙する CFE をさらに増強していかなければなりません。
その為にまず、社会の皆様に ACFE をもっと知っていただくべく、SNS を活用した情報配信を積極的に行っていく予定です。また、今月中旬に Web サイトをより魅力的で閲覧し易いものにリニューアルいたします。同時に、CFE の方々ならびに CFE を目指しておられる方々に不正対策に関する知見や最新の情報を提供することは勿論、内部監査部門やリスク マネジメント部門など、企業において不正対策に関連する業務に従事されている方々のみならず、マネジメント層やヒューマン リスクに対応する担当部門など、これまでにアプローチが出来ていない層に対しても不正対策に関する実践的なトレーニングの拡充を図るべく、Web セミナーのさらなる充実および e-ラーニング方式の新たな教材開発などを推進して参ります。
私ども ACFE JAPAN は 2005 年 4 月に活動を開始し、今年で 17 年目に入ります。今後ますます増えると予測される企業等の不正や不祥事に対する私たちの使命と責任を改めて再認識し、今後も会員の皆様のお役に立てる協会づくりに邁進して参りたいと思います。引き続き皆様のご支援とご協力を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、皆様のますますのご多幸とご発展をお祈りし、年頭のご挨拶とさせていただきます。
一般社団法人日本公認不正検査士協会 理事長
公認不正検査士 (CFE)、公認会計士
国際会計士連盟 (IFAC) 会長 (2000-2002)
日本公認会計士協会 会長 (2004-2007)
IFRS 財団 評議員会 (Trustees) 評議員および副議長 (2005-2014)
などを歴任
国際会計士連盟 (IFAC) 2019 年 Global Leadership Award 受賞