一般社団法人日本公認不正検査士協会:理事長 藤沼 亜起 (ふじぬま つぐおき)
平成 31 年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。一般社団法人日本公認不正検査士協会の会員及び関係団体の皆様方には、日頃より当協会の活動にご理解とご協力を賜り、心から御礼を申し上げます。
「亥の年」の猪は無病息災の象徴とされておりますが、次の成長に備えて、
など、内部の充実を心がけると良い年と言われています。
当協会は、皆様方の次の成長に資するように様々な企画と活動をしていく所存です。
昨年も、企業内外の不正・不祥事案件は引き続き増加しております。たとえば、KYB の免震装置データ改竄、スルガ銀行の不正融資、SUBARU の品質検査データ書き換え、日産自動車の検査不正、三菱電機子会社のゴム検査不正などの問題に加え、この他にも、"はれのひ" による成人式用着物詐欺、大学スポーツやスポーツ関係団体などでの不祥事件が次々と報道されております。また、昨年 11 月には日産の元会長カルロス・ゴーン氏が有価証券報告書に同氏の報酬額を虚偽記載したとして逮捕されたという、"ゴーン・ショック" が世間を驚かせました。
一連の不正事案の背後にある要因の中で、2008 年から開始された経営者の内部統制報告制度、また、2015 年に導入された「コーポレート ガバナンス・コード」に示された原則の適用に、まだまだ形式的な対応が見られ、内部統制の有効性や取締役会等の実効性向上に結び付かない会社や団体が数多くあることを示していると思われます。多くの公認不正検査士 (CFE) が、不正の発見や不正の未然防止と抑止に適切に対応できることを期待しております。
お陰様で ACFE JAPAN は、昨年末で会員が 1,888 人、CFE 資格者も 1,252 人になりました。本年度は ACFE の「不正検査士マニュアル」に加えて、日本の実情に合った「不正対策実践プログラム (仮)」と日本版の「研修プログラム」の開発に着手していく予定です。
これらの準備とプログラムの作成にはそれなりの時間がかかると考えておりますが、その間、会員の皆様には適時・適切なテーマでの CPE 研修を準備し、また、昨年と同様に、会員にとって有益な ACFE JAPAN カンファレンスなどを企画・実行していく所存です。
最後になりましたが、皆様方のご多幸と益々のご発展をお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
ACFE JAPAN 理事長
公認不正検査士 (CFE)、公認会計士
国際会計士連盟 (IFAC) 会長 (2000-2002)、日本公認会計士協会 会長 (2004-2007)、IFRS 財団 評議員会 (Trustees) 副議長などを歴任。