一般社団法人日本公認不正検査士協会 理事長
濱田 眞樹人
平成 30 年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。平素より、一般社団法人 日本公認不正検査士協会の活動にご理解とご協力を賜り、心から御礼申し上げます。
昨年も我々は、日産、スバル、神鋼、三菱マテリアル、東レと次々に一流企業で明るみに出たデータ不正、富士フィルムの海外子会社での財務諸表不正以外にも、横領、独占禁止法違反、労働基準法違反、インサイダー取引、投資詐欺などの、止むことを知らない不正事件を目の当たりにしてきました。M&A や新規事業等によりイノベーションを起こすことを求め続けられる現在の企業は、事業が複雑化し、拠点がグローバル化することにより、増え続ける子会社や新たな事業拠点などでの不正リスクは高まるばかりです。経営者が責任を持つべき内部統制の有効性を担保することは難しくなるばかりですが、これをコスト・エフェクティブにやり抜くことが何としても必要です。企業が不正事件について研究し、何を学べるか真剣に取り組み、自浄能力を高めることが求められるのです。そのような状況の中、ACFE は「不正対策に関するトレーニングのスペシャリスト」として、会員の皆様とともに企業不正と闘って参ります。
ACFE JAPAN は、昨年 10 月の「不正リスク管理ガイド」の出版に寄与しました。このガイドは、2013 年に改訂された COSO「内部統制-統合的フレームワーク」の第8原則である「不正リスク評価」の実施においてベストプラクティスのガイドを提供するものです。これからも企業不正の防止と発見に関する世界最先端の知見を日本にお届けしてまいります。
多くの公認不正検査士が、企業の内部においても経営者を支えて、不正を未然に防止し、万が一の時には早期に不正を発見し、対処し、企業価値を守れるようになって欲しいと思います。日本公認不正検査士協会は、今年は日本での活動も 13 年目に入り、会員数も 1,600、公認不正検査士の数も 1,100 名を数えるようになりました。これも皆様のご支援の賜物です。何卒今後もご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、皆様方のご多幸とますますのご発展をお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
濱田 眞樹人
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