10月9日(金)に開催された第6回 ACFE JAPAN カンファレンスにて、公認不正検査士協会 会長兼CEO ジェームス・D・ラトリー氏よりビデオメッセージが寄せらました。(ビデオを再生すると音声が出ます)
公認不正検査士協会 会長兼CEO
ジェームス・D・ラトリー、CFE
James D. Ratley,CFE
ACFE会長兼CEOのジム・ラトリーです。ACFEを代表して、第6回ACFE JAPANカンファレンスにご来場いただいた皆様を歓迎し、ACFE JAPANが記念すべき創立10周年を迎えたことに心よりお祝い申し上げます。
現在、ACFE JAPANの会員数は北米に次いで1,400近くにのぼります。ACFE JAPANは創立されてからの10年間で数多くの目標を達成し、業績を残してきました。これらの取組みは決して見過ごされるべきものではなく、また世界各 国の公認不正検査士(CFE)が従うべき模範です。ACFE JAPANの濱田眞樹人氏、脇山太介氏、理事の各氏のリーダーシップとたゆまざる努力のおかげで、数多くの不正対策に関する情報源や出版物を日本中の不正 対策専門家にお届けすることができました。
ACFE JAPANは2005年の創立以来、不正検査士マニュアル、不正対策ハンドブック、ACFEの会員向け不正リスク対策の専門誌である隔月刊のFRAUDマ ガジンの日本語版等を刊行してきました。さらに、CFE資格試験を日本語で実施することにより、日本の不正対策専門家は、世界でも最高レベルにあるCFE 資格の認定を受けることが可能になりました。今年、ACFE JAPANは新たな試みとして、米国でも非常に好評を博している自習教材「Inside the Fraudster's Mind(邦題:不正実行者の内面)」の日本語版の販売を開始しました。
このような取 組みと献身的な努力は、不正対策という業界の成長だけでなく、専門職としてのCFEの増加につながりました。このことは数字を見ても明らかです。2012 年からだけでも、日本におけるACFE会員数は47パーセント増加し、500名以上の不正対策の専門家にCFE資格の認定を行いました。会員の皆様は、全 世界で、相互の協力関係の下、不正や汚職の対策に真摯に取り組む7万5,000人の専門家に加わっているのです。ACFEは、不正と闘う人々の真に世界的 なネットワークを構築しており、これは、ACFE JAPANのリーダー、そして本日のカンファレンスにご参加いただいている皆様の不屈の努力の賜物です。
ACFEは、こ のような成長が非常に大きな責任を伴うということをよく理解しています。我々はアジア・太平洋地域の不正対策の専門家を支援するためのさらなる情報源、教 育、イベントを提供していかなければなりません。今年はこれまでに、ジャカルタ、クアラルンプール、香港、メルボルンでセミナーを開催し、11月にはシン ガポールで2015年ACFE アジア・パシフィックカンファレンスを予定しています。ACFE JAPANは、不正検査、不正の法的要素、倫理、財務取引の分野を網羅する各種の集合研修を行いました。
ACFE JAPANは、今を生きる皆様のために、日本国内にとどまらず、国際社会における不正の発見と防止への関与を反映した行動を計画しています。エンロン社の 元CFOであるアンドリュー・ファストウ氏を初め、豊かな知識を持つ幅広い分野の講演者にご登壇いただくことで、本日のカンファレンスが皆様にとって非常 に素晴らしい研鑽の場となると確信しています。
今、皆様の隣の席には、会計士、監査人、リスク管理責任者、法律の専門 家、法執行機関の職員、調査員などの人達が着席しています。今日は、自らの職業人生で不正と闘うことを第一の目標に選んだ人々とネットワークを構築し、お 互いに学ぶ素晴らしい機会となります。世界的な組織展開をする日本の企業の中でも日本電気株式会社、中外製薬株式会社、株式会社ローソン、ソニー生命保険 株式会社、東日本旅客鉄道株式会社などの各社では不正の発見と防止の専門資格の重要性を十分に認識していただき、CFE資格を持つ社員の採用、社員の CFE資格の取得に取り組んでいただいています。ACFE JAPANが成長を続ける中、日本企業の内外でCFEの認知度は向上し、世界中の不正対策の取組みに対する日本の影響も大きくなっています。
最後に、本日のカンファレンスにご協力をいただきましたスポンサー企業の皆様に御礼申し上げます。 新日本有限責任監査法人(プラチナスポンサー)、デロ イト トーマツ ファイナンシャル アドバイザリー合同会社、プロティビティ LLC、株式会社KPMG FAS(ゴールドスポンサー)の皆様に心より感謝いたします。 このカンファレンスでの経験を有意義なものとしてご活用ください、そして、不正に対する皆様一人一人の今後のご活躍を是非お聞かせいただきたいと思いま す。