日時:2016年6月13日(月)~15日(水)
場所:ネバダ州ラスベガス
「頭の良い人々が彼に何百万ドルも渡した。何が彼らにそうさせたのだろう?」俳優のリチャード・ドレイファスは2月のABCの連続ドラマ「マドフ"Madoff"」でバーニー・マドフを演じる準備をしている時に自問した。
「彼は、世界で最も感じが良く、高潔で、誠実で、親切な人物で、彼の投資会社に入るだけの価値があると思わせる強力な意見の持ち主だったのでしょう」と彼は月曜日のランチセッションの参加者に語った。
「中に入れてくださいと彼に懇願したくなるように彼が仕向けたのでしょう。しかし人々は彼に愛情を持たざるを得なかったのです。彼を疑うことは誰にもできませんでした。『あなたの秘密は何ですか?』と人が尋ねると、バーニー・マドフは『それは私だけのものです』と答えました。人々が重ねて問うと彼は、『いいですか。あなたは私の秘密を知りたいのですね? ではあなたの投資した金額分の小切手を発行します、それでお別れしましょう』と答えました。そうした人は誰もいませんでした」
ドレイファスは、次のように理解したと言った。「一生涯太陽光パネルを作って、百万長者になった人は太陽光パネルの作り方を知っているが、金儲けのこととなると、自分が稼いだ金銭のことはよく分かっていません。彼は太陽光パネルについて話す時に自分が抱いているのと同じ自信を誰か他の人の目の中に見たいのです。バーニーはそれを持っていました。人々は、バーニーができると言ったものをもたらすことができると信じたかったのです」
ドレイファスはマドフの役作りで数多くの被害者にインタビューを行い、彼らが今でも信じられないほど被害を受けていると言った。「その中のある人達は80歳の初めで、他人が夢にも思わないほど裕福でした。しかし、今は以前の友人の家でメイドをしているのです。誰一人としてそのような目に遭って当然という人はいませんでした。目の前の金銭を取られただけでなく、自分の子供、孫、曾孫の希望まで奪われたのです」
マドフが犯罪者になりたかったのだとは思わないとドレイファスは言った。「彼は帳簿の改ざんに自分の資金を使っていました。ほんの少し一線を踏み越えたことは分かっていましたが決して後ろを振り返らなかったのです。そしてシェイクスピアの「オセロ」のイアゴーのように『非常に楽しい!』と言いました。彼は最も卑しい理由でそれを行いました。彼は、バート・ミツバー(ユダヤ教の宗教的儀式でユダヤ人の女の子が12歳の時に行われる成人式)を受けた少女と同じテーブルにつき、ロンドンで仕立てたシャツを手に入れるという目的のためだけに彼女の未来を奪いました。彼は、自分だけの快楽主義的な愚か者の理由でそれをしました。そして決して後悔しませんでした。彼は、私が数えられるよりももっと大勢の人々に損害を与えました」
ハリー・マーコポロス(Harry Markopoulos)は、徒労であっても証券取引委員会に何年間もマドフの事業は不正だと言い続けたCFE(公認不正検査士)であり、この話の真の英雄だと彼は言った。「彼が目にした無関心により、彼は、ゲーリー・クーパーの演じた、道徳が去った後一人取り残された人物のようになってしまいました。もし、今日、彼がここにいたら、私はできる限りの敬意をこめて彼に挨拶していたでしょう」
ドレイファスは、ウォール街、議会、財務省が、(カンファレンスの)出席者を恐れ、「皆さんの仕事を奪い、なかったことにしない」ように努力する助けになりたいと言った。
彼は、多くの人がマドフの犯罪のような悪行を正したいと思い、立派な外見の有害な最低の盗人達を社会の恥ずべき場所に送り込むことに挑戦することを望んでいると述べた。我々は皆、騙されやすいお人好しでこのような異常に卑劣なことが起きました。あなた方は、この国の名誉を回復し、アメリカを救う挑戦をしているのです
「私のために働くことを覚えていて欲しいのです」と彼は出席者を励ました。「私は、我ら人民('We the People')の一人で皆さんは悪人を探し出し彼らをやめさせる唯一の手段を代表する我々の代理人なのです」とドレイファスは言った。