日時:2013年6月23日(日)~28日(金)
場所:ネバダ州ラスベガス
CNBCで放送されているテレビシリーズ「アメリカン・グリード」のナレーターを務める俳優のステーシー・キーチ氏は、次のように述べた。「この番組を通して、人が楽して大金を稼ぐために、どの程度のリスクを冒し、どれほど広く陰謀の範囲を広げるかについての見識を養うことができた。」「歌詞にあるように『満足できることはなく、常にもっと欲しがる。そして言えることは一旦得ても以前よりさらに欲しくなるということだ。』もう一つ学んだことは、疑いもせずに違反を犯す強欲な人々は、会計士、パートナー、良き友人、あるいは家族を信頼したせいで脇道にそれてしまっただけであって、彼ら自身が被害者であると、あらゆる場面で正当化している。」
「アメリカン・グリード」の中には、CFEが調査を行った、世間の注目を集めた企業犯罪やホワイトカラー犯罪を取り上げ、検証している。そのシリーズの中で、キーチ氏は、不正、マネ―ロンダリング、着服、ポンジースキームを取り扱っている。テレビ番組のとあるシーンを見せながらキーチ氏は、現在25年の禁固刑と銀行や住宅購入者からだまし取った3400万ドルの没収を命じられている現在収監中の元住宅建築業者ジェフ・アーペンベックが、何も知らない隣人に25万ドルをゴルフコースに埋めさせた事例を紹介するなどした。
タイコ・インターナショナルの元CEOデニス・コズロフスキーとマーク・シュワルツによる違法な浪費に関する事件についてキーチ氏は、さらに続けた。「コズロフスキーとシュワルツは、1億5千万ドル以上の違法なボーナスを受け取ったり、ローンを帳消しにしたり、自社の株価を操作したりしたことで告訴されました。」コズロフスキーは、盗んだ金を使って1,472万ドル分の美術品、6,000ドル分のシャワーカーテン、15,000ドルの傘立てを購入した。キーチ氏によると、番組のインタビューアーを務めるマイク・ウェストが刑務所でコズロフスキーのインタビューを行ったとき、歴然とした生活環境の違いに衝撃を受けたという。「インタビューの最中、コズロフスキーはペットボトルの水を買おうとしたところ、自動販売機で買えるだけのお金を持ち合わせていなかったそうです。落ちぶれたものです。」
「アメリカン・グリード」の中で紹介された事件の中で最も気に入っているのは、カジノで繰り広げられた監視と犯行者の動きを取り扱ったシリーズだ。「トラン一味によるカジノ不正は、至って簡単な手口でした。カードゲームの最中にカードをシャッフルしたと見せかけるようディーラーと監督者に賄賂を手渡したのです。トラン一味は標的のカジノテーブルの周りに監視員と共謀者を配置させます。共謀者は隠された装置を使ってプレーヤーのカードの手の内を別の共謀者に伝達します。その後、標的となるカジノテーブルのトランプの情報はコンピューターに入力されます。」「トラン一味は、買収したディーラーに指令を送り、昔なじみの、カードをシャッフルしたと見せかける早業を使わせ、前のゲームで使用された同じ順番のカードを次のゲームで使用し、不正を働いていました。」組織のトップであったヴァン・トゥ・トランは、2011年1月と2012年9月に有罪判決が下り36ヶ月の禁固刑と5,753,416ドルの罰金刑が言い渡された。しかし、トラン一味の被告抗弁では、実際に誰かを傷つけたわけではなく、人から金を奪う人々から金を奪っただけだと主張した。
キーチ氏は、社会を悩ませる不正の問題を発見・抑止するACFE会員を称賛した。「あなたたちなくして悪人を捕まえることはできません。これについて称賛したいと思います。」「引き続きあなた方の貢献に期待します。悪人をたくさん捕まえたら、もしかすると『アメリカン・グリード』に出演する日がくるかもしれませんね!」
FRAUD MAGAZINE 編集長 Dick Carozza