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長年にわたり組織的に行われてきた、大企業での不正・不祥事が次々と報道されています。そこには、日本企業の組織文化に潜む問題の根深さが垣間見えています。
組織が解決の難しい問題に直面したときに、文化や風土、倫理観が問われます。一般的に、危機に遭遇すると自分たちを守ろうという意識が働くものですが、倫理観の失われた組織では、全体で取り組まなくてはならない問題が一部署や一個人の責任に転嫁されるなどした結果、その場しのぎのズルや誤魔化しが横行します。期末直前の実現不可能な年度目標必達指示 (これは結果的に不適切会計・粉飾決算に繋がる)、供給能力の増強が行われない状況での短納期要求・大量納品要求 (これは無資格者検査・品質偽装に繋がる) などがその例です。
また、要職に清廉潔白な人物を配したとしても、組織の力学に個人は無力である場合も多く、組織の倫理観醸成は不正対策において今後も重要なテーマとなり続けます。
本セミナーでは、長年にわたり倫理の研究に取り組まれている立教大学 文学部教育学科 教授 河野 哲也 氏に、組織不正の発生の仕組みや倫理の意識を向上させるための取り組みについてご講演いただきます。
1. | 現代倫理学の理論 |
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2. | 組織不正が生じる心理学的な原因 |
3. | 不正を防ぐ組織づくり |
立教大学 文学部教育学科 教授
博士(哲学)
1963 年 東京生まれ、慶応義塾大学 文学研究科 後期博士課程終了、博士(哲学)。
日本哲学会、日本現象学会、日本科学哲学会など、多くの学会の理事や委員を務める。
専門は、現代哲学と倫理学(組織倫理・科学技術論)。近年は、環境の問題を扱った哲学を展開している。
「組織不正の心理学」蘭 千壽 共編、慶應義塾大学出版会 (2007 年 8 月)
「道徳を問いなおす リベラリズムと教育のゆくえ」ちくま新書 (2011 年 3 月)
「意識は実在しない 心・知覚・自由」講談社選書メチエ (2011 年 7 月)
「暴走する脳科学 哲学・倫理学からの批判的検討」光文社新書 (2008 年 11 月)
「善悪は実在するか アフォーダンスの倫理学」講談社選書メチエ (2007 年 10 月)
など多数
日時 | 2018 年 6 月 6 日(水) 18:30~20:30 |
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会場 | 連合会館 4F 401 会議室 〒101-0062 東京都千代田区 神田駿河台 3-2-11 |
受講料 | ACFE 会員 7,560 円、一般 10,800 円 (いずれも消費税 8% を含む) |
CPE | 2 単位 (倫理) |