平成25年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。平素より、一般社団法人 日本公認不正検査士協会の活動にご協力とご理解を賜り、心から御礼申し上げます。
昨年は、止むことを知らない企業不正、特に上場会社の経営者が主導した不正事件を発端として、財務諸表監査における不正に対応した監査基準の見直しがおこなわれ、年末には監査の不正リスク対応基準の設定及び監査基準の改訂についての公開草案が公表されました。企業不正、特に経営者の関与した不正の防止と発見について考えると、会計監査人の取組みだけではなく、株主が経営者とその執行を監視するコーポレート・ガバナンスの観点から不正リスクを管理する仕組みを構築することが必要です。また、事業拠点のグローバル化により増加する海外や非主流部門の事業子会社での不正を考えると、経営者が責任を持つべき内部統制の有効性を担保することは難しくなるばかりですが、これをコスト・エフェクティブにやり抜くことが何としても必要です。
今、再び光明が見えつつある日本の証券市場におけるこれらの仕組みの担い手である経営者、取締役、監査役、内部監査部門、そして投資家にとって不正リスク管理が再び大きな共通の課題としてクローズアップされています。そのような状況の中、我々は「不正対策に関するトレーニングのスぺシャリスト」として、会員の皆様とともに企業不正と闘って参ります。
多くの公認不正検査士が、企業の内部においても経営者を支えて、不正を未然に防止し、万が一の時には早期に不正を発見し、対処し、企業価値を守れるようになって欲しいと思います。
日本公認不正検査士協会は、2005年4月に任意団体として17名のメンバーでスタートしましたが、昨年は会員数が1000名を、公認不正検査士の数も600名を超えました。これも皆さまの御支援の賜物です。何卒今後もご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、皆様方のご多幸とますますのご発展をお祈り申し上げまして、年頭の御挨拶とさせていただきます。
立教大学 大学院 ビジネスデザイン研究科 特任教授
The Japan Society of USCPAs(日本における米国行員会計士団体:JUSCPA)副幹事長
博士(経営管理学)立教大学、USCPA(イリノイ州)、公認不正検査士、公認内部監査人、米国公認管理会計士、米国公認財務管理し、サーティファイドフィナンシャルプランナー®
ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン副社長、ハリー・ウィンストン・ジャパン社長など外資系企業のマネジメントを歴任。