今年も ACFE JAPAN カンファレンスの時期が近づいてきました。今年は 10 月10 日の金曜日、昨年と同様に、お茶の水のソラシティ・カンファレンスセンターで開催いたします。7月7日の七夕の日に、申し込みがスタートしましたが、すでに 7 割を超える申し込みをいただいており、関心の高さがうかがわれます。
今年の基調講演には、元米国司法省検事局司法次官補で、現在は、コビントン・バーリング法律事務所副会長の、ラニー・ブルーアー(Lanny Breuer)氏が登壇します。日本ではそれほど知名度は高くありませんが、司法省時代は、連邦刑事事件の証拠開示手続きにおける検事の義務や、クラック犯罪と粉末コカイン犯罪の間に生じる量刑の不均衡など、刑事法の執行方針に関する米国でのオピニオン・リーダーといわれていました。
同氏は、1985 年にマンハッタンの地方検事として法曹界でのキャリアを歩み始め、武装強盗や組織的暴力などの凶悪犯罪やホワイトカラークライムなどの摘発に従事。
1989 年には現在の法律事務所、コビントン・バーリング法律事務所(Covington & Burling LLP)に入所。1997 年に、クリントン大統領の特別補佐官としてホワイトハウスに入り、上院における弾劾裁判で大統領を弁護しました。その後、1999 年にコビントンに復帰し、ホワイトカラークライム事件の弁護や複雑な民事訴訟を担当するグループの共同代表になります。2009 年には、オバマ政権において司法省検事局司法次官補として、連邦レベルの刑事事件を告発し、刑事法の発展を支える約 600 人の法律家を監督しました。2009 年 4 月、米国のナショナル・ロー・ジャナール誌は、彼をワシントン DC の法曹界における「ビジョナリー」(先見の明に富んだ人物)に選んでいます。
今回同氏には、不正というカテゴリーでも特にカルテルや贈収賄という分野で、反トラスト法や腐敗防止法(FCPA)の摘発や執行に関する考え方、米国企業、特に摘発が進む日本企業のこれらの問題に関する対応について語ってもらいます。これまでの会計不正という分野とはまた違った角度からの不正に関する講演となります。
ぜひ、楽しみにしていただきたいと思います。
また、ラニー・ブルーアー氏に続く登壇者として、今回は伊藤忠商事法務部長の茅野みつる様にもご講演いただきます。同氏は大手商社初の女性執行役員であり、かつ最年少の役員として話題になりましたので、ご存知の方も多いことと思います。
同氏は、米国法律事務所勤務から、2000 年にキャリア採用と呼ばれる中途採用で伊藤忠商事に転身。大手商社の収益の源泉が貿易から事業投資にシフトするなかで、社内弁護士として資源投資や大型の M&A で手腕を発揮、実績が評価されたといわれます。2005 年には世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダーズ」にも選ばれています。
まさしく今回のカンファレンスは、グローバルという表現がぴったりとくる内容となりました。今回のテーマである「グローバル・ビジネスにおける不正リスク」は、今後さらにグローバルに活躍していかなければならない私たち日本人や日本企業にとって、非常に示唆に富む、充実したカンファレンスになると思います。残り席数も少なくなってきております。ご参加をご検討の方は、お急ぎ、お申し込みください。なお、今回のカンファレンスは同時通訳が入りますので、英語に自信のない方でも安心してご参加いただけるプログラムとなっております。
株式会社ディー・クエスト 代表取締役
公認不正検査士
ACFE JAPAN 理事兼 事務局代表