一般社団法人 日本公認不正検査士協会 事務局
このたび、ACFE本部では、会報誌である「Fraud Magazine」をこれまでの冊子形式から、電子化し、ウェブサイトにて公開することになりました。
「Fraud Magazine」電子化に際して、米国ACFE本部のギル会長よりコメントが到着しております。
下記のとおり、ご紹介いたします。
これに伴い、日本でも、これまでの「FARUD マガジン」の冊子版の発行、発送は2025年4月発行分までとなります。その後、会員の皆様にどのような形でお届けするかにつきましては、詳細決定次第、お伝えいたします。
1995年、公認不正検査士協会(ACFE)は、ニュースレターを雑誌に変えるため、ディック・カロッツァ(Dick Carozza, CFE)という若い編集者を雇いました。彼はこの業務を引き受けて、私たちの想像を超える成功を収めました。カロッツァは、ACFEの創設者でチェアマンであるジョセフ・T・ウェルズ博士(CFE、CPA)と共に新しい理想像を描き出して、当時は目立たなかったニュースレターを、今日みなさんがご存じの『Fraud Magazine』――――光沢のある、実用的で、実務に密着した出版物へと創り変えたのです。
あれから30年を経て、『Fraud Magazine』は再び新たな変貌を遂げようとしています。最新の不正防止・検知に関するコンテンツをデジタル専用フォーマットで届けるという、新たな課題に取り組むためです。その結果、あなたの郵便受けに物理的な紙媒体の雑誌が届くことはなくなりますが、カロッツァ名誉編集長とウェルズ博士が『Fraud Magazine』のために構想した不正を防止するためのコンテンツの理念は、これからも引き継がれます。
私の大学時代、英文学の教授は、多くの偉大な文学作品は「はかなさ」と「変化」の概念を中心に展開している、と語っていました。人生は常に移り変わりの中にあります。永遠に続く存在はなく、全てははかなく私たちの人生も常に変化しています。ただ、1996年1月に4色刷の光沢紙で『ホワイトペーパー』が創刊された時の感動は今も忘れられません。それまでは、カラーもグラフィックもないニュースレターで、会員のみなさんとコミュニケーションをとっていました。そして2004年、『ホワイトペーパー』を『Fraud Magazine』と改称して、この雑誌の目的をそれまでよりも具体的に変えることができたのです。
しかし現在、隔月で4色刷の雑誌を何千、何万部も印刷し、世界各国に郵送するのは、印刷費や郵送料の高騰は言うに及ばず、膨大な労力を伴うものになってしまいました。加えて、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、私たちの多くが遠隔地や複数の拠点で仕事を行うようになりました。より多くのみなさんとコミュニケーションをとることが可能な、オールデジタルの未来を受け入れることは、従来よりも理に叶っています。
印刷物の実情は、何事においても変化が早い状況下で最新情報の伝達に一歩遅れてしまうことです。雑誌をレイアウトし、印刷・製本し、郵送することには時間を要するために、いくつかのビート、「鼓動」を逃してしまいます。今、私たちは不正対策の最新ニュースを認識し次第、みなさんにお伝えすることが可能なのです。
私は印刷物を楽しんでいますし、印刷された雑誌が消えていくのはとても寂しいです。しかし、現代のテクノロジーを使えば皆さんが頼りにしている不正対策の情報を、より早く、よりインタラクティブな形式で提供できます。
過去30年にわたり、『Fraud Magazine』は会報誌として皆さんとのよりよいコミュニケーションへと変貌を遂げました。オールデジタル化という決断は、軽いものではありませんでしたが、私たちは信じられないほど興奮しています。刷新されたウェブサイト、Fraud-Magazine.comで、雑誌記事の閲覧や閲読がさらに快適になると思います。『Fraud Magazine』がオンライン専用マガジンとしてエキサイティングな新時代を迎えるにあたり、皆さんの変わらぬ支援に謝意を表します。
ACFE(公認不正検査士協会 米国本部) 会長
理事会の諮問委員
テキサス州 弁護士、テキサス州弁護士会 会員
公認不正検査士 (CFE)