米国 ACFE 本部が発行する "ANTI-FRAUD Resource Guide, Third Quarter 2017" の巻頭特集 "Measuring In-House Fraud Investigation Teams" を邦訳いたしました。社内不正調査チームの評価についての調査レポートの抄録です。
社内不正調査チームの評価の一助となりましたら幸いです。
By Andi McNeal, CFE, CPA ACFE Director of Research
防止した不正の総額の評価、実施中の調査が可能なかぎり効率的かつ費用対効果に優れているかの判断、不正が検知されていて迅速な対応が十分徹底的に行われているかの検証──これらの評価を行うのがいかに難しいか、私たちは (ACFE の) 会員たちから頻繁に聞きます。さらに、正式な評価指標(の導入や適用) を強く求める経営層に対して、これらの問題について説明する取り組みは、この領域を多くの組織でより一層困難なものにします。
しかし、不正対策チームも組織内の他のチームと同様に説明責任を負う必要があります。どのチームにも適用できる、その効果を評価・報告するための最善の方法のひとつが、チームの構造やパフォーマンスと業界の標準とのベンチマークです。組織が、自社の調査チームについての実績データ(経歴情報) を持つことはよくありますが、ベンチマークに利用できる、他の組織が有する同様のデータにはアクセスできません。2015 年に私たち (ACFE) が最初の不正調査チームに関するベンチマークレポートを公開したところ、その反響は非常に好意的でした。私たちは、この種のデータの必要性を理解していましたが、ACFE 会員・非会員の両方、世界中、数多くの産業界、組織内のあらゆる部署を含む、非常に多くの方々から、これこそが私たちがずっと待ち続けていた情報だ、と言う声を聞きました。2 年が過ぎて、初版に新たなベンチマークの視点を加えて拡張した、このベンチマークレポートの新しい版を公開できることを喜ばしく思います。
「社内不正調査チーム:ベンチマーク レポート 2017 年度版」には、次のような内容が盛り込まれています。
39%の調査チームは、自分たちのチームのパフォーマンスの測定に、正式な評価指標をまったく使用していません
47%の不正調査チームは、データ分析ソフトウェアを使用しています
25%の不正調査チームは、内部統制の責任者に報告しています
一般的な組織では、不正による損失を25%以下しか回復できません
51% の不正調査担当者は、常時平均して5 件未満の事件を取り扱っています。
不正調査チームが取り扱う事件の典型的な類型は、従業員や顧客により行われる不正です
不正調査担当者の採用で経営陣が最も重視する事項は、専門資格と免許 (ライセンス) です
他の不正調査チームの構成や自社の調査チームの評価についてより詳しく知りたい場合は、この秋に ACFE.com で公開されるベンチマーク レポートの完全版をご覧ください。
私たちは、このレポートが、あなた方のチームの効率向上に役立ち、組織の意思決定者に対して成功を指し示すことを願います。
ACFE が将来行うベンチマーク調査で、対象にしてほしい評価指標や質問などございましたら、Research@ACFE.com (英語) までご意見をお寄せください。