請求書スキーム発見方法を組み合わせて用いると最も有効
BILLING SCHEMES DETECTION METHODS WORK BEST WHEN COMBINED TOGETHER
購買関連不正には多数のスキームが存在し、発見方法もまた非常に多くある。ほかのものと組み合わせて用いることによりかかる発見方法は最も有効となる。これにより、内部統制上の異常及び弱点が指摘されることとなろう。
分析的監査 Analytical Review
種々の総勘定元帳勘定の検証により、通常ではない又は予想外の事象が明らかになることがあるかもしれない。例えば、純売上高と関連付けながら棚卸資産の購買を比較すると、売上の度合いに対して購買の度合いが高すぎたり低すぎたりすることを示すかもしれない。これは警告であり、購買関連スキームか、売上の架空計上スキームかをそれぞれ示唆するかもしれない。
もう一つの分析方法は、過年度の棚卸資産の購買を当期のものと比較して、過大支出又は二重支出スキームを発見する方法である。
分析的監査は多額の不正スキームを発見するのに最も有効であり、異常がたちどころに明らかになるであろう。このほかの発見方法は、全体として財務諸表とあまり大きく関わらない不正スキームに対してより一層有効である。不正の程度を問わず、原資料の精査は必要であろう。
コンピュータ支援分析的監査 Computer-assisted Analytical Review
不正対策ソフトウエアにより調達又は購買機能における異常なパターンの認識に役立ち、購買活動について異常なパターンを認識するためのマトリックスを提供することができる。以下は三種の不正スキームの分析と、これに対応するコンピュータ支援発見方法である。
統計的サンプリング Statistical Sampling 棚卸資産と同様に、購買に係る原資料を統計的にサンプル採取することで、不正を調査することもできる。特定の属性をテストするために統計的サンプルを抽出してもよい。本発見法は、架空の納入業者のようにただ一つの属性が疑われる場合に特に有効である。郵便私書箱の住所を全て一覧表にすることにより、架空の納入業者を明らかにできる可能性がある。
納入業者又は外部からの苦情 Vendor or Outsider Complaints
納入業者又は外部からの苦情で雇用主又は会社に不正スキームが暴かれることがある。顧客、納入業者及び他者からの苦情を受けることで、さらなる調査が可能となることから良質な不正発見手段となり得る。
現地査察 Site Visits
現地査察を行うことで、所在地にかかわらず、内部統制の実態が明らかになるであろう。
サンプル監査プログラム Sample Audit Program
以下の部分監査プログラムは、有形資産に係る請求書スキームに対する兆候を発見するのに有用であろう:
「不正検査士マニュアル」(2010)より一部改変した
公認不正検査士協会、テキサス州オースチン
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